2009年1月22日木曜日

日本経済新聞2008.01.22朝刊より

福岡都市圏を中心にスーパーマーケットを展開する西鉄ストア(福岡市、室園正雄社長)は、効率的な店舗運営のための工程管理や在庫削減などで専用マニュアルを作成する。製造業の生産管理に採用される無駄取りなどの手法を生かし、同社のモデル店舗を使いマニュアル化した。同社は4月に同じ西鉄グループのスピナ(北九州市)のスーパー事業を統合する予定で、マニュアルで店舗運営の共通化を図る。
今年中に西鉄ストアとスピナの全店舗に順次導入する。経営効率化をスムーズに進め、同社の売上高経常利益率を現在の1.1%から2年後には3%台に引き上げる。
マニュアルは同社が2007年から展開する経営改善活動「NKS(西鉄改善システム)」の一環。西鉄ストアの太宰府店(福岡県太宰府市)と大橋店(福岡市)をモデル店舗として作成。08年初めに本社に新設した店舗運営改善部が2店舗で加工食品、生鮮食品、総菜など部門ごとに仕入れや在庫管理、店頭での商品配置などの工程上での作業手順を見直した。
製造業の生産管理方式を生かし各作業手順の無駄取りを実施、マニュアルに明記した。導入でこれまでより在庫を半減できるなど商品管理の効率化が進むという。
従来は同社の各店舗がそれぞれ独自に作業の効率化などを進めていた。4月にスピナのスーパー事業を吸収し店舗数が現行の39店舗から56店舗に拡大し、物流機能も同時に一本化するため、全店共通の店舗運営マニュアルが必要と判断した。

引用以上

記事には引用されていませんが「西鉄改善システム」は「業務標準化および内部統制レベル向上を支援する」目的で開発されたようです。
http://www.natura-systems.com/news/20070515.html
西鉄ストアは鉄道沿線開発から続く文化、またスピナは企業城下町での従業員向け購買会を前身とした文化を持っています。
事業の分離・買収を経た組織では文化の衝突が起こるのは明白です。
しかしながら、異文化同士がうまく融合した時には非常に大きなイノベーションを生むことも期待できます。

業務は数ヶ月も経れば一つの文化として定着し、「なぜこれがここにあるのか?」、「なぜこの手順はこういう流れなのか?」といった疑問を誰も抱かなくなってしまいます。
「長年この手順でやってるからこれでよい」、「この設備はずっとここにあって不便は感じてないからこれでよい」
本当にそうでしょうか?
十余年も前に人々はトヨタのカイゼン活動を見て「乾いた雑巾をまだ絞っている」と見ていたようです。
しかしいわれている側の現場では「うちの雑巾はまだビッショリと濡れている」と考えていました。
トヨタのカイゼン文化は未だに衰えを知らず、むしろ更なる発展を続けています。

文化の創造や統合のためには業務の標準化は非常に有効な手段です。
中小・零細企業では不可解な文化がはびこっていたり、世帯の小ささのワリにチグハグに見えたりと言った現状は大いに散見されます。
今こそ三現主義を徹底して業務手順一つ一つをつぶさに見直してみては如何がでしょう?

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