昨日の私の記事に呼応したかのような記事が本日付『日経ビジネスオンライン』にみられた。
以下、抜粋
地震、津波、原発と3つも続いた大災害。実は、そこにもう1つの災害が始まっている。
「消費の自粛」である。
このことは、ある種のタブー視をされている。だから、その波は静かに広がっている。しかし、この状況に目を向けず、対応が遅れれば、問題はさらに深刻になる。
日本各地から悲鳴が聞こえてくる。しかし、その声はなぜか小さい。
これが静かに始まった「消費の自粛」という衝撃波である。
まずは旅館からの悲鳴が聞こえる。地震の直後から、予約をキャンセルする電話が鳴り止まない。わずか数日で、温泉地の予約はガラガラになってしまったという。特に首都圏からの個人旅行客、そして団体客のキャンセルが多い。外国人旅行客のキャンセルも増えている。そして、キャンセルの波がいつ収まるのか、まったく見えてこない。
確かに、多くの人にとって、旅行気分になれない状態だ。被災した人の映像を見ると、のんびりと温泉につかる気分にはなれない。
箱根や伊豆も大きな影響を受けているらしい。数百人を収容できる旅館で、客が数人というケースもある。おそらく、関東甲信越の多くの温泉地が、同じような状況にあるのではないか。
旅館だけではない。北関東のゴルフ場は、客が9割減になっているという。そして、電力不足や交通機関の混乱、ガソリンの供給問題が、窮状に拍車をかけている。
これらサービス業は、地域経済の要と言っていい。雇用数が多く、地元企業も少なくない。だが、客が自粛してしまえば、失業、そして倒産という負のスパイラルが始まる。
そんな状態が続けば、地域経済が蝕まれ、沈没していく。
これが「第4の災害」の正体だ。
まだ目に見えてこない。だが、全国で確実に広がり始めており、3月末にかけて非常事態が広がる。それも静かに、である。
ところが、第4の災害を訴える場所はない。声を上げられず、みんな静かに耐えている。ただ、堪え忍んでいるのだ。
サービス業は、日本全体の雇用の7割を占めている。しかも、数字は増え続けている。
雇用ばかりではない。日本全体の経済活動の7割がサービス業である。
抜粋、以上
筆者は提案として、以下の2つをあげている。
①旅行代金の一部を寄付に震災地の域外に住んでいる人は、できるだけ予定通り温泉に行くこと。
旅館や飲食店、小売店、レジャー施設は、そのための特別な震災チャリティーを組み込んだプランを作る。
②サービス業の効率化をさらに推し進めること。得られる余力で、客とともに寄付する。
この2つの取り組みで、客が負い目に感じることも軽減される。しかも、サービス業は客に来てもらえる。そして、被災地の周りから地域経済を下支えして、復興の1つの力になる。つまり、日本の商人(あきんど)が持つ「三方善し」の考え方を復活させて、日本全国から震災地を支える構図にもなる。
ただ、企業が個別に実施しても、効果は限定的である。業界全体で、多数の同業者の理解を得ながら、組織的に進める国民運動にできればいい。
と筆者は結んでいる。
また、私もよく利用しているインターネット宿泊予約サイト「じゃらん」からは以下のようなメールが送られてきた。
以下、抜粋
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
じゃらんnetからのお知らせ [臨時]
東北地方太平洋沖地震 被災地支援宿泊プランについて
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2011年3月22日■□■
こんにちは、じゃらんnetです。
いつもご利用いただき、ありがとうございます。
3/11(金)に発生した東北地方太平洋沖地震により
被災された方々とそのご家族に対して、心からお見舞いを申し上げます。
じゃらんnetでは、本震災により被災された皆様及び
救援活動を行う皆様への支援として、
被災地の方々を優先的に受け入れる宿泊施設をご紹介しております。
http://c.p-advg.com/adpCnt/r?mid=896371&lid=1
*MSゴシック(Win)OSAKA等幅(MAC)等の等幅フォントで最適にご覧頂けます。
本メールは、全国に配信しております。
被災地付近でお困りの方をご存知でしたら、
ぜひ当ページについてお知らせください。
皆様のご無事をお祈り申し上げます。
抜粋以上
リンク先を閲覧してみると被災地近辺のみならず、数はまだ充分ではないだろうが全国の旅館がじゃらんの掛け声の元、共同キャンペーンを張っている。
昨日の私の記事を数名の経営者にご紹介したところ、多くからは賛同の声をいただけた。しかし中には、『災害に乗じて商売しているようで、賛同できない』との声も聞かれた。
彼らの言い分もごもっともである。このことこそ、まさに『声を上げられず、みんな静かに耐えている。ただ、堪え忍んでいる第4の災害』といえる所以なのではないだろうか。
災害復旧費用として政府が捻出すべき財源は二十超円規模と伝えられている。ましてや復旧成し遂げた後の復興までの費用や行政によらない民間による復旧、復興の費用を勘案すると計り知れない金額になる。
それらの前提条件となる国内の経済活動が衰退したままでは、復興どころか復旧すら短期間に成し遂げることは難しくなるだろう。
我々経済人は今こそ経済人としての本分に立ち返り、『三方良し』の精神で商いに邁進すべきである。
おりしも私の住む福岡県では今日まさに桜の開花宣言が発表された。週明けとなる3月末には見頃を迎えるようである。この桜前線は北上を続け、すぐ後には被災地の皆さんの地域に達することであろう。
自粛ムードの音なき音が鳴り響く中ではあるが、美しい桜の下、来年も美しい桜を楽しめるよう、精一杯宴に興じたいものである。
ひまわり経営塾では皆さんのコメントバックをお待ちしてます。
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