日本経済新聞2008.01.22朝刊より
福岡都市圏を中心にスーパーマーケットを展開する西鉄ストア(福岡市、室園正雄社長)は、効率的な店舗運営のための工程管理や在庫削減などで専用マニュアルを作成する。製造業の生産管理に採用される無駄取りなどの手法を生かし、同社のモデル店舗を使いマニュアル化した。同社は4月に同じ西鉄グループのスピナ(北九州市)のスーパー事業を統合する予定で、マニュアルで店舗運営の共通化を図る。
今年中に西鉄ストアとスピナの全店舗に順次導入する。経営効率化をスムーズに進め、同社の売上高経常利益率を現在の1.1%から2年後には3%台に引き上げる。
マニュアルは同社が2007年から展開する経営改善活動「NKS(西鉄改善システム)」の一環。西鉄ストアの太宰府店(福岡県太宰府市)と大橋店(福岡市)をモデル店舗として作成。08年初めに本社に新設した店舗運営改善部が2店舗で加工食品、生鮮食品、総菜など部門ごとに仕入れや在庫管理、店頭での商品配置などの工程上での作業手順を見直した。
製造業の生産管理方式を生かし各作業手順の無駄取りを実施、マニュアルに明記した。導入でこれまでより在庫を半減できるなど商品管理の効率化が進むという。
従来は同社の各店舗がそれぞれ独自に作業の効率化などを進めていた。4月にスピナのスーパー事業を吸収し店舗数が現行の39店舗から56店舗に拡大し、物流機能も同時に一本化するため、全店共通の店舗運営マニュアルが必要と判断した。
引用以上
記事には引用されていませんが「西鉄改善システム」は「業務標準化および内部統制レベル向上を支援する」目的で開発されたようです。
http://www.natura-systems.com/news/20070515.html
西鉄ストアは鉄道沿線開発から続く文化、またスピナは企業城下町での従業員向け購買会を前身とした文化を持っています。
事業の分離・買収を経た組織では文化の衝突が起こるのは明白です。
しかしながら、異文化同士がうまく融合した時には非常に大きなイノベーションを生むことも期待できます。
業務は数ヶ月も経れば一つの文化として定着し、「なぜこれがここにあるのか?」、「なぜこの手順はこういう流れなのか?」といった疑問を誰も抱かなくなってしまいます。
「長年この手順でやってるからこれでよい」、「この設備はずっとここにあって不便は感じてないからこれでよい」
本当にそうでしょうか?
十余年も前に人々はトヨタのカイゼン活動を見て「乾いた雑巾をまだ絞っている」と見ていたようです。
しかしいわれている側の現場では「うちの雑巾はまだビッショリと濡れている」と考えていました。
トヨタのカイゼン文化は未だに衰えを知らず、むしろ更なる発展を続けています。
文化の創造や統合のためには業務の標準化は非常に有効な手段です。
中小・零細企業では不可解な文化がはびこっていたり、世帯の小ささのワリにチグハグに見えたりと言った現状は大いに散見されます。
今こそ三現主義を徹底して業務手順一つ一つをつぶさに見直してみては如何がでしょう?
ひまわり経営塾では皆さんのコメントバックをお待ちしてます。
『シンプル思考が最強の安定経営を産む』
ひまわり経営事務所
http://himawari-biz.jp/
2009年1月20日火曜日
安心・安全をアピールする
日本経済新聞2008.01.20朝刊より
阿蘇外輪山の山裾に本社を持ち、根菜類などの生産、加工、梱包などを手掛ける農業生産法人松本農園(熊本県益城町)。同社は農作物の生産履歴を記録できる独自システムを開発。作業の合理化や安全性の確保に積極的に取り組む。安心感や安全性を前面に香港などへ輸出するなど新規市場を開拓。売上高は約2億円に達する。
同社は2006年、農産物では全国初、「生産情報公表JAS」の認定を取得。生産過程への問い合わせに即答できる体制を構築した。
消費者や小売業者に安心感を与えるとともに、危機管理や業務改善が図れる。
同社が次に取り組んだのが組織や運営体制の保証。安全確保体制の国際認証「SQF1000」(生産栽培)、「SQF2000」(パック業務)を取得。野菜生産では国内初で、世界的にも珍しい取り組みだ。
「食の安全をイメージで語らない」との理念を掲げて、組織体制でも国際的に通用する外部の客観的評価を獲得。国内外での拡販につなげている。
今春からは農作物の生産に伴うCO2の排出量も記録する。トラクターの燃油消費などをつかみエネルギー使用料を減らす他、作業の改善に役立てる予定だ。農作物の包装にはCO2排出量を表示。農業生産に伴う環境負荷を示すことで、企業イメージ向上も狙う。
自社で実績のある生産管理システムの海外展開も視野に入れる。食の安全が問題になっている中国など、「アジアで生産管理が広がるのはこれから」(日本貿易振興機構・熊本貿易情報センター)。
生産品だけでなく、生産手法や技術でも、九州の農業が国際展開する可能性を探っている。
引用以上
攻めの農業、いや経営のよい実践パターンの一つですね。
ビジネスに変革を加えるときは3つのMを変える。すなわちMaterial(素材)、Manifacture(工程・技術)、Marketing(売り方)、のうちどれかを変える、もしくはこの変化を組み合わせるのがシンプルかつ強力な方法です。
掲載の松本農園さんでは素材は変更されていませんが、売り方とそのための技術に大きな変革を加えられています。
まず、「いかにして売るか?」に着眼し、そのための生産の仕組みを大胆に変革されています。
さらに市場のニーズにより強力にマッチさせるためにその製品、組織、体制に第三者による認証制度をうまく利用されています。
結果として競争優位性と同時に新たな収益源の確保(生産管理システムの販売)につながりつつあります。
同産業、他産業と考えた場合、輸出取引を考えないのであれば国際認証にこだわる必要は無いかもしれません。グローバルマーケットにさらされる業界では有効な手段ですね。
また「安心、安全をアピールする」狙いでは、費用対効果を考慮すれば第三者認証に変わる手段を講じるのも手です。
昨今の農産品では完全有機栽培がもてはやされていますが、いちばん不信感を持たれるのは「どこの誰がどのように作ったのか分からない」点にあります。
この様な状況ではホームページやブログを利用した情報提供も有効な手段です。
誰がどのように栽培したのか?いつどのような状況でどんな農薬をどの程度使用したのか?その結果どうだったのかなど、有利な情報も不利な情報も提供する事で、消費者と情報の共有を図るのが効果的です。
また、農作物が育つ様子や手間暇をかけている様子なども情報として提供出来れば、消費者から選ばれる=消費者がファンになってくれるための効果的なツールとして期待できるでしょう。
もちろん情報提供の欠落が伺える場合等、逆効果を生んでしまわないよう十分な情報提供に努めることも肝心です。
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阿蘇外輪山の山裾に本社を持ち、根菜類などの生産、加工、梱包などを手掛ける農業生産法人松本農園(熊本県益城町)。同社は農作物の生産履歴を記録できる独自システムを開発。作業の合理化や安全性の確保に積極的に取り組む。安心感や安全性を前面に香港などへ輸出するなど新規市場を開拓。売上高は約2億円に達する。
同社は2006年、農産物では全国初、「生産情報公表JAS」の認定を取得。生産過程への問い合わせに即答できる体制を構築した。
消費者や小売業者に安心感を与えるとともに、危機管理や業務改善が図れる。
同社が次に取り組んだのが組織や運営体制の保証。安全確保体制の国際認証「SQF1000」(生産栽培)、「SQF2000」(パック業務)を取得。野菜生産では国内初で、世界的にも珍しい取り組みだ。
「食の安全をイメージで語らない」との理念を掲げて、組織体制でも国際的に通用する外部の客観的評価を獲得。国内外での拡販につなげている。
今春からは農作物の生産に伴うCO2の排出量も記録する。トラクターの燃油消費などをつかみエネルギー使用料を減らす他、作業の改善に役立てる予定だ。農作物の包装にはCO2排出量を表示。農業生産に伴う環境負荷を示すことで、企業イメージ向上も狙う。
自社で実績のある生産管理システムの海外展開も視野に入れる。食の安全が問題になっている中国など、「アジアで生産管理が広がるのはこれから」(日本貿易振興機構・熊本貿易情報センター)。
生産品だけでなく、生産手法や技術でも、九州の農業が国際展開する可能性を探っている。
引用以上
攻めの農業、いや経営のよい実践パターンの一つですね。
ビジネスに変革を加えるときは3つのMを変える。すなわちMaterial(素材)、Manifacture(工程・技術)、Marketing(売り方)、のうちどれかを変える、もしくはこの変化を組み合わせるのがシンプルかつ強力な方法です。
掲載の松本農園さんでは素材は変更されていませんが、売り方とそのための技術に大きな変革を加えられています。
まず、「いかにして売るか?」に着眼し、そのための生産の仕組みを大胆に変革されています。
さらに市場のニーズにより強力にマッチさせるためにその製品、組織、体制に第三者による認証制度をうまく利用されています。
結果として競争優位性と同時に新たな収益源の確保(生産管理システムの販売)につながりつつあります。
同産業、他産業と考えた場合、輸出取引を考えないのであれば国際認証にこだわる必要は無いかもしれません。グローバルマーケットにさらされる業界では有効な手段ですね。
また「安心、安全をアピールする」狙いでは、費用対効果を考慮すれば第三者認証に変わる手段を講じるのも手です。
昨今の農産品では完全有機栽培がもてはやされていますが、いちばん不信感を持たれるのは「どこの誰がどのように作ったのか分からない」点にあります。
この様な状況ではホームページやブログを利用した情報提供も有効な手段です。
誰がどのように栽培したのか?いつどのような状況でどんな農薬をどの程度使用したのか?その結果どうだったのかなど、有利な情報も不利な情報も提供する事で、消費者と情報の共有を図るのが効果的です。
また、農作物が育つ様子や手間暇をかけている様子なども情報として提供出来れば、消費者から選ばれる=消費者がファンになってくれるための効果的なツールとして期待できるでしょう。
もちろん情報提供の欠落が伺える場合等、逆効果を生んでしまわないよう十分な情報提供に努めることも肝心です。
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2009年1月9日金曜日
商売繁盛
明けましておめでとうございます。
過日1/6、初詣に行って参りました。
三社参りは済ませてあったのですが、仕事始めにあわせてということで。
福岡県では商売の神様といえば何といってもここ、宮地嶽神社です。
製造業を中心に恐ろしいほどの不況が襲っていますが、どうか光がさしますように。
当ひまわり経営塾も長らく休講状態となってしまい申し訳ありません。
2009年は不況に負けぬよう元気よく参りたいと思います。
本年もひまわり経営塾をよろしくお願いいたします。
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